11世紀ヨーロッパ、ヴァイキングの時代を舞台にしたヴィンランド・サガ。
出てくる地名や王様なんかは実在の人物ですが、実は主人公のトルフィンも実在の人物です。
ヴィンランド・サガって、ヴァイキングの時代をモチーフにしたフィクションの歴史物だと思っていたので、トルフィンも船乗りのおじいちゃん(レイフね)も実在してたことを知った時は、ちょっとビックリしました。
そもそも漫画のタイトルになっているヴィンランド・サガ、というのが、アイスランドの「グリーンランド人のサガ」と「赤毛のエイリークのサガ」という2編の文献の総称のこと。
ちなみにサガというのは、中世アイスランドから伝わる叙事詩・物語のことです。
(私はこの言葉をゲームボーイのサガシリーズで覚えました)
漫画のヴィンランド・サガは、これらのサガを忠実に漫画化したものではないけれど、人物やストーリーには多分に2つのサガの要素が取り入れられています。
というわけで、トルフィンのモデルになったソルフィン・カルルセフニ・ソルザルソンの生き様について調べてみましたよ!
トルフィンのモデル『ソルフィン・カルルセフニ』の生涯
ソルフィン・カルルセフニの生涯を追うためには、まずヴィンランドについて知る必要があります。
ブドウの実る土地『ヴィンランド』
ソルフィン・カルルセフニはアイスランドの商人であり、探検者。
1010年頃にヴィンランドを目指し、移民船団を率いて航海に出ました。
ヴィンランドとはワインの国という意味で、発見者はレイフ・エリクソン。おじいちゃんですね。
レイフ・エリクソンは、ヨーロッパから海を渡ってアメリカ大陸に到達した初めての人物で、「幸運なるレイフ」と呼ばれていたそう。
うん、漫画と同じだ。いや、こっちが本家なんですけどね。
ヴィンランドが現在でいうどの土地であったのかは諸説あり、はっきりとはしていません。
でも、コロンブスのアメリカ発見に500年も先立って、レイフがアメリカ大陸に上陸していたのは間違いのない事実。
にもかかわらず、知名度が低く、アメリカの発見者として扱ってもらえない…。
主権を宣言しなかったり、結局アイスランド人がアメリカ大陸を領有することがなかったかららしいですが、おじいちゃん、ちょっとかわいそう(ノД`)
グズリーズに恋したソルフィン、ヴィンランドを目指す
ソルフィン・カルルセフニは裕福な商人で、ノルウェーからグリーンランドに訪れた時、グズリーズ・ソルビャルナルドッティルに出会い、彼女に恋して結婚します。
グズリーズはレイフ・エリクソンの弟の未亡人でした。これも漫画と同じですねー。
漫画と違うのは、グズリーズはレイフの弟ソルスティンと共に、ヴィンランドへの航海を経験済みだったこと。
この時の航海で2人はヴィンランドへ到達できず、グリーンランドに帰った後、夫のソルスティンは病で亡くなります。
サガによると、亡くなった後、夜中にソルスティンの死体が起き上がって「グズリーズはアイスランド人と結婚して長く裕福な生活を送る」と予言したのだとか。
(想像すると、ちょっとホラー)
これは、グズリーズの再婚を正当化するための後付けかもしれないですけどね。
予言が本当にあったことかは別として、グズリーズはソルフィンと再婚したわけです。
そして、ソルフィンがヴィンランドへの航海に出た背景には、妻グズリーズの強い勧めがありました。
ソルフィンと再婚したのも彼の財力に目を付けてのことかもしれないし、自ら何度も航海に乗り出すくらいなので、けっこうしたたかな女性だったのかも。
たくましいところは一緒だけど、漫画のグズリーズちゃんと、史実のグズリーズはけっこう違うキャラクターみたいですね。
ソルフィンとグズリーズ、ヴィンランドに到達
航海の末、ソルフィンとグズリーズは無事ヴィンランドに到達します。
子供にも恵まれ、2人の間に生まれた息子スノッリは、アメリカ大陸で生まれた初のヨーロッパ系人とされています。
ただ、このヴィンランド滞在は長続きはしませんでした。
定住するつもりでヴィンランドに渡ったソルフィンたちですが、本国とあまりに距離があったことや、先住民であるスクレリングとの抗争が発生したことから入植は思うように進まず、結局数年でヴィンランドは放棄されたようです。
漫画のヴィンランド・サガでは、トルフィンは争いのない平和な国を作るためにヴィンランドに到達しましたが、はたして旅の終わりはどうなるのか…?
サガの内容をもとに漫画の展開を予想してみても楽しいかもしれませんね。
またヴィンランド・サガのような史実にちかい歴史マンガが好きなら、以下の28選も楽しめるんじゃないかと思います。
特にヨーロッパ史で史実にちかい作品であれば『ブラド・ドラクラ』『ナポレオン』はイチオシですよ。
歴史漫画は読み出すと止まらないよね!
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コメント
ノンフィクションとは実録のことなので、フィクションの間違いでは?
あきばっくすさん、ご指摘ありがとうございます!
いやまったく、フィクションの間違いですね。お恥ずかしい…///
記事修正させていただきました。お知らせいただきありがとうございました!