ヴィンランド・サガでトルフィン一行が目指すことになる、肥沃な大地「ヴィンランド」。
このヴィンランド、架空の土地ではありません。
地名こそ現代には残っていないものの、本当に実在した場所です。
トルフィンが理想の国を作るために目指すヴィンランドとは、どんな場所だったのか?
史実に残っているヴィンランドの姿を紹介します。
レイフ・エリクソンが発見したブドウの地、ヴィンランド
ヴィンランドを発見し上陸したのは、アイスランド出身の船乗り、レイフ・エリクソン。
そう、漫画にも出てくるあのおじいちゃんですね。彼も実在の人物なんです。
レイフの父親エイリークは、グリーンランドを発見し、定住化を進めた人物。
「赤毛のエイリーク」の名で知られ、彼の冒険譚は「赤毛のエイリークのサガ」というアイスランドの文献に記されています。
アイスランドを発見して命名したのもエイリークなんですが、この時は氷しかない場所だと思われて、なかなか入植希望者が現れなかったらしい。
そこで、入植者がたくさん集まるように、新たに発見した土地にグリーンランドと命名したそうな。
未開の土地を次々と開拓し、入植を進めたエイリーク。
息子であるレイフも、見事その父親の血を継いでいたってことですね。
おじいちゃん、実はアイスランドの歴史に残る偉人なのです。
ヴィンランドの発見
1000年頃、西への航海に出たレイフは、小麦とブドウの実る豊かな大地を発見し、そこを「ブドウの地」を意味する「ヴィンランド」と名付けました。
雪と氷に閉ざされたアイスランド育ちのレイフには、肥沃な緑の土地は楽園にも見えたのかもしれません。
ヴィンランドが現在のどの場所だったのかには諸説ありますが、カナダのニューファンドランド島だったとする説が最有力です。
次いで、アメリカのニューイングランドのあたりだったとする説。
さらに、北米大陸でブドウがなるのはもっと南でしかありえないから、もっと南方だったとする説もあり。
(それブドウじゃなくて、別の植物との見間違いじゃない?というツッコミもある)
なんかね、邪馬台国はどこにあったのか問題みたいな感じですね。
ヴィンランド移住計画を率いた、ソルフィン・カルルセフニ
レイフが発見したヴィンランドへの移住計画を率いたのが、ソルフィン・カルルセフニです。
そう、彼こそはヴィンランド・サガの主人公、トルフィンのモデル!
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ソルフィンは移民船団を率いてヴィンランドに渡り、入植を進めました。
が、ネイティブ・アメリカンと思われる先住民との抗争や本国との距離が問題となって、入植は頓挫。
結局、ヴィンランドは数年で放棄され、この地にアイスランド人が定住することはありませんでした。
カナダのニューファンドランド島、ランス・オ・メドーには、ヴァイキングたちが定住したと思われる跡地が残っています。
ここがヴィンランドだったのか、あるいはヴィンランドへの中継地点だったのかは定かではありませんが、アイスランド人が北米大陸に上陸し、一時生活をしていた確かな証拠になっています。
漫画のトルフィンは、平和な国を作るためにヴィンランドへの航海をしていますが、史実のソルフィンと同じような結末を迎えてしまうのか、はたまた別の展開が待っているのか…
そんなことを考えながらヴィンランド・サガを読んでみても楽しそうですね!
またヴィンランド・サガのような史実に近い歴史マンガが好きなら、私の趣味でセレクトした以下の28選も楽しめるかと思いますよ。
特にヨーロッパ史で史実にちかい作品であれば『ブラド・ドラクラ』『ナポレオン』はイチオシです。
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