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ゴールデンカムイ谷垣の出身、マタギについて東北県民が調べてみた

マタギの写真 ゴールデンカムイ
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阿仁集落最後のマタギ、佐藤良蔵氏
Photo by Sato Ryozo / CC BY-SA 3.0

ゴールデンカムイに登場する、元マタギの谷垣。

同じ東北出身の私は、最近死亡フラグが立ってるっぽい彼のことを密かに心配しております。

谷垣にはアイヌのコタン(村)で幸せに暮らして欲しいんだけど、この漫画、平気で人が死ぬからさ…(´д`;)

谷垣の出身地である秋田県阿仁は、マタギの里として有名なところ。

私の田舎も、未だに熊が人里に出没してニュースになったりしますからね。あと遠足の登山で高校生が熊に遭遇したりとかもあったなあ…。

今この時代でもリアルに熊が出るんですよ、東北の田舎って。

というわけで、今日は熊とマタギと谷垣に思いを馳せ、マタギ文化について語ってみます。

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マタギ、それはプロ猟師集団

そもそもマタギって何か。

マタギとは、東北や北海道で狩猟を生業とする人たちのことです。

今風に言うとプロ猟師ですね。

主な獲物は熊で、基本的に1人ではなく集団で猟を行います。

猟に出るのは冬がメインで、狩った獲物を換金することで現金収入を得ていました。雪のない季節は、農業に従事する人が多かったそうです。

特に換金価値が高かったのは、熊の胆。金と同等の価値があるとされ、マタギにとっては貴重な収入源でした。

ゴールデンカムイ作中でも、アシリパちゃんが杉元に、高く売れるからと熊の胆を渡すシーンがありますよね。

マタギの獲物

マタギ=熊猟師ってイメージがあると思うんですが、熊といっても、東北と北海道では種類が違ったりします。

ちなみにゴールデンカムイの舞台は北海道なので熊=ヒグマですが、東北にはヒグマはいません。

東北で熊といったらツキノワグマ。クマ科の動物で最大級を誇るヒグマに比べると、だいぶ小さいです。

どれくらい小さいかっていうと、ヒグマの雄の体重が150~250kg、時には400kgに及ぶ個体がいるのに対して、ツキノワグマの雄は体重80kgくらい。

ヒグマでかすぎ…!

なお、マタギは別に熊を専門に狩猟していたわけではなく、換金効率が良いことから熊を優先的に狙っていたようです。

マタギ独自の宗教観と文化

マタギの歴史は古く、その起源は平安時代まで遡るとも言われます。

農耕民族である日本にあって独自の狩猟文化を築いてきたマタギは、独特の宗教観や信仰も持っていました。

ゴールデンカムイ作中でも、谷垣が俺たちマタギは山の神様を女だと信じている、と言ったり、「コレヨリノチノヨニウマレテヨイオトキケ」というマタギに伝わる弔いの言葉を唱えたりしてましたね。

単なる猟師集団じゃなく、ひとつの民族的な側面があるのがマタギの興味深いところなんですよね。

マタギは基本的に集団で狩猟をしていて、シカリ(スカリとも)と呼ばれるリーダーのもと、厳しい作法で集団を統率していました。

雪深い山の中で熊を相手にしてるわけで、下手な行動したらアッサリ命を落としますから、そうならないように規律が必要だったんでしょう。

  • 山中ではマタギ言葉という特別な言葉で話す
  • 山を神さまとして信仰する
  • 熊は山の神さまからの授かりものと考える
  • 山の神に捧げる儀式やしきたりがある

など、アイヌ文化と同じように、自然や動物を神さまとして信仰してもいました。

面白いことに、こうした信仰は日本のアイヌやマタギに限ったことではなく、世界中の狩猟民族に共通しているんだそうです。

厳しい自然の中で生きていくには、自然や生態系を破壊するような行為は種族としての存続を脅かすし、勝手な行動は個人の命取り。

でも、人が決めたルールには賛否も反発もあるし、リーダーが変わればルールまで変わってしまう可能性がある。

人が決めたルールじゃなく、神さまが決めたルールなら素直に守るし、世代が変わっても普遍的に受け継がれていく。

だから、宗教や信仰という形で、自然と命を守り存続させる知恵を残してたのかなあ、なんて思います。

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マタギって現代でもいるの?

さて、気になるのが、マタギは現代にもいるのかどうか。

答えはいる、です。

でも、狩猟規制が厳しくなっていること、狩猟だけでは生計を立てられないことから、現代ではマタギを専業とする職業マタギはほとんどいないのだそう。

マタギ集落は東北を中心に各地にありますが、近年は後継者がいないままマタギを引退する人が続き、現役マタギの数は減少の一途をたどっています。

私が確認できた範囲では、白神山地の工藤光治氏が最後のマタギと呼ばれ、現役でマタギ猟を行っているようです。

マタギサミット

年に1回行われている、マタギサミットというイベントがあります。

全国のマタギが年に1回集う、サンタクロース会議みたいなもの?と思っていたら、実際はぜんぜん違って…

マタギがいなくなったことで、野生の動物が増え、有害鳥獣として駆除されたり、生態系に影響している現状を鑑みて、マタギ文化の保存や自然との共生を考える、というサミットでありました。

サミットの報告内容を見てみると、昔はマタギが猟をすることで山の生態系のバランスが保たれ、人と動物が共存していたという状況がうかがえます。

昔は人間も、生態系の一部だったってことですね。

谷垣ニシパ、死なないでー!

ということで、マタギについて見てきましたが、最後に言っておきたいのはこれ。

谷垣ニシパ、死なないでー!

生きてオソマちゃんに再会してー!

コメント

  1. 高橋了介 より:

    初めまして。
    個人的に色々調べたら、たどり着きました(苦笑)

    マタギの獲物・・・・狩猟対象ですねw
    元々、熊は最初は狩猟対象では殆どありませんでした。
    カモシカの毛皮が高く売れる為、カモシカがメインでした。
    熊≦カモシカ
    な感じと思って頂ければば・・・w
    また、ウサギやテン、イタチ・アナグマ等々、小動物も狩猟対象になっていました。
    狩猟に関する法律(御触れ)が改正され、カモシカが狩猟対象から外れた為に熊メインにシフトされております。
    熊の狩猟が始まったのは、各藩への上納品として、熊の毛皮や熊胆(ゆうたん)を上納した為、熊が狩猟対象となったみたいです。
    当時は熊胆の偽物が多く出回った為、
    勝負(マタギの世界では、狩猟の事を勝負と云います。)で授かった熊を山から村や富豪宅の前まで引っ張っていき、
    「本物の熊(熊胆)ですよ」
    とPRし、熊胆や毛皮を売ったりしてました。

    また、狩猟に関してですが、古くから1~2名での「忍び猟」も行っております。
    これは新雪が降る頃に忍び猟を行い、狩猟対象の足跡や冬眠するであろう場所を確認する為でもあります。

    今年もマタギサミットが開催されますが、今年は30周年ともあり、マタギの本家「阿仁」で開催されます。
    場所は打当温泉マタギの湯となっております。
    また前日の6/21(金)は北秋田市の教育員会主催でマタギシンポジウムも北秋田市内のファルコンで開催されます。
    お時間御座いましたら、是非、お越しください。

    • マンガオー(怪獣オバケ) もやし男 より:

      高橋さん

      こんにちわ!
      詳しいコメントありがとうございます。
      この記事を読んだ人は、ものすごく参考になっていると思います。

      マタギの関係者の方とお見受けしました。
      昔は熊ではなく、カモシカがメインだったんですね。
      そういえば、うちの実家によく出没してます!
      なんか年々増えている気が。。

      「打当温泉マタギの湯」
      これは如何にもな雰囲気のある旅館で素敵です。
      なんか外国人にすごく受けそう。
      ゴールデンカムイ、今海外で大人気らしいので、
      コラボしたら観光客押し寄せそうですよね。

      マタギシンポジウム・・・これも谷垣とコラボできたら、
      もっと宣伝になりそうな。
      ご招待もありがとうございます。しかしちょっと遠いです。(汗)

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