ゴールデンカムイ登場人物のモデルを探るシリーズ。
今回はショッパイ登場で、すぐ忘れてしまいそうな鈴川聖弘について。
えっ?誰?
と思った人へ。
脱獄囚人達に占拠されたコタンにいた偽村長のことですよ!
名前は鈴川聖弘(すずきまさひろ)。
でこの鈴川聖弘のモデルは誰かと言えば、ズバリ伝説の結婚詐欺師クヒオ大佐こと、鈴木和弘氏でしょう。ほぼ間違いありません。
クヒオ大佐といえばバリバリ日本人なのに、アメリカ軍パイロット×カメハメハ大王とエリザベス女王の血統という史上稀に見るプロフィールの人です。これ実話。
よくそんな設定で上手くいったよね?(笑)
まずはクヒオ大佐がモデルだと思った理由です。
鈴川聖弘のモデルがクヒオ大佐だと思った理由
理由その1:名前が似てる
クヒオ大佐の本名は「鈴木和弘」と言います。
もうこれは見たまんまなんだけど、名前がそっくり。
ゴールデンカムイに登場の「鈴川聖弘」と、クヒオ大佐の本名「鈴木和弘」氏。名字の「鈴」と、名前の「弘」が一緒。
これは分かりやすいですね。
理由その2:詐欺事件が一緒
ゴールデンカムイに登場の鈴川聖弘について、第88話で次のような解説がでてきます。
米軍の大佐に化けて
裕福な家の女性に
結婚詐欺を繰り返した罪で網走監獄へ
収監されたが
出典:ゴールデンカムイ第88話 – 熊岸長庵談
この「米軍の大佐に化けて結婚詐欺を繰り返した」っていう件が、クヒオ大佐とまったく一緒なんです。
クヒオ大佐の職業設定は、アメリカ空軍特殊部隊パイロット。そして結婚詐欺を繰り返し、逮捕歴は10回近くだとか。
間違いなくこの人がモデルだ。
こうなってくるとクヒオ大佐は、どんなプロフィール設定で、結婚詐欺を繰り返したのか気になりますよね?
クヒオ大佐のプロフィール
クヒオ大佐がどんな凄いプロフィールを設定していたのか、見ていきましょう。数々の女性が貢いだ伝説のプロフィールです。
名前:プリンス・ジョナ・クヒオ
職業:アメリカ空軍特殊部隊パイロット
父親:カメハメハ大王の末裔
母親:エリザベス女王の双子の妹
言語:日本語のみ
出身:日系二世で日本で育った
年齢:実年齢−20歳
これは凄い!なんと高貴な。
そして英語ができないところが素敵ですね!なんだかホッとします(笑)
このプロフィールでどんな外見だったかいうと‥
髪眉:金髪(栗色に染めている)
身長:160cm
服装:米空軍の制服(大佐の肩章つき)
帽子:米空軍の制帽
鼻:異様に高い鼻筋
容姿:丹波哲郎似の日本人
その他:サングラス着用
このカッコで街中を歩いてるみたいなんですが、私ならそれだけでも無理。(^_^;)
ところで1984年当時は、髪を金髪に染めている人なんてほとんど居ないので、逮捕した警官もアメリカ人かと思ったのだとか!
1981年に結婚して1児をもうけているクヒオ大佐の妻も「ジョナが日本人だったなんて」と絶句したらしいですよ。ってか結婚したのね。
気づかないなんて恋は盲目・・・子供もいる!?
ちなみにクヒオ大佐は、どんな偉大なキャリア(設定)かというと‥
・6歳でワシントン大学を卒業
・10歳で士官学校入学、体格が伴っていないため15歳まで辞退
・その合間にエール大学で弁護士資格取得
・その合間に東京大学法学部大学院で法学博士号を取得
・その合間にケンブリッジ大学にも留学
・士官学校卒業後アメリカ海軍に任官
盛りすぎだろ(笑)
ただこのキャリアについては「クヒオ大佐」という小説の方を参考にしたので、実際のクヒオ大佐はどういう設定だったのか、信憑性はイマイチです。
プロフィールを見てほっこりしたところで、どんな話を持ち出したのか見ていきましょう。きっと凄いこと言ってますよ。
クヒオ大佐の常套句
今も昔も詐欺師のいうことは、傍からみれば滑稽なんですけどね・・・。
引っかかってる本人は気付かないのです。
結婚すれば英国王室から3億円
「アナタと結婚すれば英王室から3億円もらえマース」
最初に出会ったときにイキナリこの話から入るワケです。
しかもカタコトだって(笑)。
ツッコミどころ多すぎるので、このまま進みます。
軍の資金を使ってしまい返済に困っている
「軍の資金を使ってしまい、返済に困ってマース。xxx万円貸して欲しい。」
いやそんだけ高貴な生まれでパイロットなら、数百万ぐらいなんとでもなるでしょ?
って思うのは正常な人間の考えるところ。騙されたい人たちは何か理由があるんだと、クヒオ大佐にも自分にも都合のいいように解釈していたようですね。
お腹いっぱいになったところで、クヒオ大佐についての作品が面白いので紹介です。
クヒオ大佐についての作品
あまりに凄い人物なので、小説とか映画とかでてます!
クヒオ大佐の小説
「クヒオ大佐」(吉田和正著)という小説がでています。一通り読んで面白かったのですが、残念なことにフィクションとノンフィクションが混ざっています。
元ネタがかなり面白いのでフィクションだけで構成してほしかったんですが、クヒオ大佐が喋る内容は全て空想なので、恐らくまともな取材(会話)ができなかったんだろうというのが伝わってきます。
小説の内容はネタの宝庫。ほんの触りの部分だけでも‥
・出所後行く宛がなく、「米軍に復帰いたしました」と過去の被害者宅に上がり込む
・深夜2時にF-15のコクピットから電話が掛かる
・パイロットなのになぜか白兵戦での活躍が多い
・エジンバラ宮殿の夜会に叔母のエリザベス女王と出席した記念写真
・戦闘機乗りなのにジェットコースターで青くなる
・英国のMI-5かCIAが結婚相手の素性を調べる
・アメリカ人の設定なのに野沢菜漬けとお茶漬けが好物
・裁判中もアメリカ軍特殊部隊のパイロットという前提で語る
しかし読んでいるとだんだん悲惨な気持ちになります。
主人公はクヒオ大佐という虚像にアイデンティティをもつ、悲しい人間なんですね。
クヒオ大佐についてのwiki
wikiにも実在のクヒオ大佐について情報が書かれていますが、信憑性に疑問を持ちます。wikiの情報が正しいと思っている人も多いみたいで、wikiの情報を鵜呑みにしているブログが多いですね。
wikiに乗っているクヒオ大佐の情報は、フィクションとノンフィクションが混じっている小説の内容と一致します。
というわけで、私は「かい人21面相の時代」(毎日新聞社)の情報を参考にしました。
まぁ多少内容が間違っていようとも、どうせ虚言の人なんだから、そこに意味はないんですけどね。
クヒオ大佐を題材にした映画
先に紹介した小説「クヒオ大佐」を原作として映画が出ています。
若かれし頃の堺雅人や松雪泰子が主演で、もう少しコミカルに明るい雰囲気で演出されているようです。
しかし映画化までされた結婚詐欺師ってすごいですね。不世出な詐欺師だと思います。(^_^;)
最期に同じ名前で、真逆の人がいるので、覚えておきましょう。
プリンス・ジョナ・クヒオ・カラニアナオレは本物
ちなみにプリンス・ジョナ・クヒオ・カラニアナオレという、クヒオ大佐と比べたら失礼な、ハワイの本物の王子様がいます。
ハワイ王朝から第一王位継承者に指名されていたのですが、ハワイ王朝は廃絶。クヒオ王子はハワイ準州のアメリカ下院議員を務め、ハワイアンのための法令制定に尽力しました。人々からは「庶民の王子」として崇拝されています。
彼の名前を冠したクヒオ・ビーチには、プリンス・クヒオ像が立っているし、プリンス・クヒオ・デーとしてハワイ州の祝日まで制定されています。
この人の名前をパクッたのか?
とも思いますが、真偽の程は分かりません。ただ本物に失礼ですので、クヒオ大佐とは全く別人ということだけ、きちんと覚えておきましょう。
まとめ
クヒオ大佐についてまとめてみました。
この滑稽無糖で現実離れした人が結婚詐欺師で、しかもそれに引っかかってしまう人がいて、昔のお金で一億円近くを稼いだというのだから凄いですよね。
というわけで、アメリカ軍パイロットを名乗るカタコトの制服をきた男に声を掛けられたら要注意です!(笑
ゴールデンカムイ鈴川聖弘のモデル、クヒオ大佐の紹介でした。漫画の中でも大佐として活躍してくれたら面白いですね。
コメント
>先に紹介した小説「クヒオ大佐」を原作として映画が出ています。
>若かれし頃の堺正章や松雪泰子が主演で、
堺雅人です
匿名さん
コメント有難うございます!
>>若かれし頃の堺正章や松雪泰子が主演で、
>堺雅人です
思いっきり間違ってました(^_^;)
堺雅人と堺正章と間違えたらヤバイですね。。
ご指摘ありがとうございましたm(_ _)m