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絶滅危惧種のオオワシは鉛中毒に苦しんでいる。ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイ
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ゴールデンカムイで登場したオオワシ。

杉元が鉤で脚をひっかけ、白石が頭をかじられたあと、アシリパさんが仕留めました。
白石の役立たず(笑

オオワシの羽根は矢の材料として使い、身は丸ごと煮て食べます。

最高級の矢の材料として取引されるオオワシの羽根。不味そうなオオワシの脚。オオワシという鳥が気になったので調べてみました。

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オオワシの特徴

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オオワシはタカ科に分類される猛禽類。東アジアの寒い地域に生息し、夏季はカムチャッカ半島や樺太北部で繁殖し、冬季は越冬のため南下します。

メスの方が大きく全長約1メートル。羽根を広げると翼の長さは2〜2.5メートルにもなります。主に魚を食べますが、鳥類や中型の哺乳類、動物の死骸なども食べます。

現代では水産加工場の廃棄物やゴミ捨て場を漁ることもあります。

ゴミ捨て場に近寄った飼い猫とか攫われそうですね。

猫じゃなく子供が連れてかれそうになる衝撃の動画をみました。マジ怖いっす(;´Д`)

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オオワシの脚

Photo by 4028mdk09, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=7863318
Photo by 4028mdk09, CC 表示-継承 3.0, via Wikimedia

オオワシの爪は13cm

成人男性の手と同じぐらいの大きさです。

環境省の特定動物リストを見ると、この脚で掴まれた場合、爪がめり込んで重傷以上の傷害を負う可能性があると書かれています。

作中で杉元と白石が、食べていたあの脚です。
美味しそうに見えないんですが‥。

オオワシで作る矢

オオワシの手羽根と尾羽根は矢の材料になります。
矢羽根といって、矢のお尻についている羽根の部分になります。

尾羽根の方が圧倒的に高く、丈夫で見た目も美しい矢に仕上がります。

しかし現在は、オオワシの狩猟も流通も完全に禁止。矢羽根として利用できるのは弓具店の在庫が全てで、近年どんどん値上がりしています。

全日本弓道連盟の通達によると、密猟者から不正入手する輩がいまだにいるらしいです。

需要と供給がある限り、密猟者はいなくなりませんね。残念な人達です。

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天然記念物に指定されたオオワシ

オオワシが天然記念物に指定されたのは意外と古く、1970年です。1993年には、国内希少野生動植物種にも指定されています。

国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種にも分類されています。現在推定されている個体数は5000~7000羽。

環境の劣化、羽のための狩猟、駆除などによって数を減らしてきました。
しかし現在は別の理由でも数を減らしています。

鉛中毒に苦しむオオワシ

エゾシカ猟などで使う鉛の鉄砲玉を飲み込んでしまい「鉛中毒」になって息絶えるオオワシが増えています。

これにはエゾシカが関係しています。

本来エゾシカには狼という天敵がいたのですが、狼は害獣として駆除され絶滅。その結果天敵のいなくなったエゾシカは右肩上がりに増え、今度はエゾシカによる農業被害が出始めます。

ほんとうに愚かなんですが、今度はエゾシカを駆除するための狩猟が始まります。しかし低俗なハンター達は、後片付けをせずに鉛弾を体内に残した肉片を放置します。

オオワシは動物の死骸もたべますので、その肉片を食べて鉛弾を体内に取り込むことに。そして鉛中毒になったオオワシは飛べなくなったり、うずくまったりして死に至ります。

北海道では獲物の放置禁止と大型獣への鉛弾の使用禁止という対策をとりましたが、鉛弾の使用は続きました。

平成26年には鉛弾の所持自体が禁止に。しかし鉛中毒で倒れる動物が跡を絶ちません。

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まとめ

ゴールデンカムイで何気なく登場したオオワシですが、いまや国際的な絶滅危惧種になっています。

生態が似ているオジロワシも同じ状況です。

私の実家のまわりでもハンターがたまに現れて猟をすることがあるんですが、とてもマナーが良いとは言えません。周りへの気遣いがなく、私有地、田んぼへ配慮しているとは思えないのです。

子供の頃は気にしていませんでしたが、畦道や私有地で散弾が見つかることが良くありました。

野生動物の「鉛中毒」の原因はハンターが使う鉛弾です。北海道以外でも使用禁止にして欲しいですね。

参考文献

・集まれ!北海道の学芸員「猛禽類とエゾシカと人間と…鉛中毒のこと
・環境省「特定動物リストの見直しについて」
・外務省「鳥類:特にオオワシ・オジロワシ調査の成果と今後の動態予測

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