ゴールデンカムイは、アイヌから奪った金塊の隠し場所を巡って、その鍵となる刺青の男たちと、金塊を求める男たちが冒険や争いを繰り広げる物語です。
物語の発端は、アイヌが軍資金として金塊を貯めていたことですね。
そして北海道には幾つか埋蔵金伝説があります。
アイヌが関わった埋蔵金伝説をみていくと、物語の元ネタになってもおかしくない内容がありました。
いったいどんな伝説なのでしょうか?
北海道に埋蔵金伝説があるのは何故?
と、その前に北海道にはなぜ埋蔵金伝説があるのでしょうか?
実は北海道には、砂金がザクザク採れるゴールドラッシュの時代がありました。
古くは江戸時代、松前藩が北海道を治めていた頃、各地で大量の砂金が見つかり、それを求めて数万人が北海道に渡りました。
しかしアイヌ民族による松前藩への一斉蜂起をキッカケに、松前藩は北海道への渡航を制限していき、ゴールドラッシュは終わります。
近代では明治30年ごろ、再びゴールドラッシュの時代が来ます。
ウソタンナイ川・ペーチャン川で豊富な砂金が発見され、数万人が採取に押し寄せました。
作中の第一話でも杉元が砂金採りをしてますね。
北海道には砂金が採れる川が幾つもあり、今でも少量取れたりします。そしてなんと、砂金採り体験できるみたいです。
た、楽しそう‥( ´∀`)
小学生だったら毎日川に行ってるかも。
そんなわけで金が豊富だった北海道。
埋蔵金伝説があってもおかしくないわけですね。
神居古潭のアイヌ埋蔵金伝説
神居古潭にはアイヌが埋蔵金を隠したという伝説があります。
神居古潭に近い山中に、アイヌが和人(サシム)の襲撃にそなえて隠したとのこと。
ゴールデンカムイの第一話に描かれている
日本人に抵抗すべく一部のアイヌたちが密かに軍資金をためていたらしい
という話に通ずるものがありますね。
また、第二話でアシリパの叔父さんマカナックルが、
あの砂金は我々の先祖が採ったもので
何十年もずっと触れられずにいたものだった
と話しています。
正確には襲撃にそなえてなので「襲撃するため」ではありませんが、アイヌが砂金を集めて隠したという伝説は、元ネタになっても違和感なしです。
根室アイヌ酋長ヨコウシの埋蔵金伝説
根室の標津町にもアイヌの埋蔵金伝説があります。
この地の酋長ヨコウシは、先祖代々の金塊をもつ大富豪。
北見の酋長サツリーはヨコウシの財宝を狙っており、ある日その機会を得ます。
ヨコウシの娘が嫁ぐ際に、大勢がお祝いについていき、村には子供と老人しかいません。
迫り来るサツリーの大軍勢を前に覚悟を決めたヨコウシは、滝のそばの深い穴の中に全財産を埋めました。
ヨコウシの死後、財宝の行方は誰にも分からなくなります。
この出来事のあと、ソーケショマナイ川が忠類川に合流する当たりを金山と呼ぶようになったとのこと。
そして、標津町の忠頼川上流には「金山の滝」が現在もあります。
埋蔵金の手がかりは「朝日さす、夕日さす」みたいです。
掘ってみたいなぁ。(;´∀`)
書いてから気付いたんですが、この伝説は元ネタとはあまり関係ない気がしました。
まとめ
実は北海道って、金山と砂金の採れる川が凄く多いんです。
その割には北海道の伝統工芸に金細工ってないですよね?
アイヌの伝統にも金細工はないようです。
北海道から採掘された金はいったい何処に行ってしまったんでしょうか。
かなり脱線しましたが、アイヌの集めた砂金の元ネタとして、北海道の埋蔵金伝説。
なんとなくそれっぽい気がしないですか?(^_^;)
参考文献
・北海道浦河町役場「浦河砂金物語 ―孤独な男たちの夢」
・浜頓別町役場「枝幸砂金の歴史」
・北海道標津中「金山の謎の財宝」
・畠山清行「日本の埋蔵金」(中公文庫)
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