ゴールデンカムイに登場したニシン御殿。
贅沢そうな作りで、気になった人も多いはず。
有田焼の便器‥とかね。
北海道にはニシン御殿がいくつかあります。
内装についてのモデルは「旧青山別邸」。
所在地と外装と当主について「旧田中福松邸」をモデルにしたようです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「旧青山別邸」が内装のモデルと思ったワケ
理由その1:有田焼の便器
ゴールデンカムイ40話「ニシン御殿」にでてくる有田焼の便器。
旧青山別邸でも、実際に使っていました。
有田焼の洋式便器に作り直したら、今でも売れる気がしません?
理由その2:牡丹の絵が書かれたふすま
作中では銃弾で穴だらけになってましたが、ふすまに牡丹の絵が描かれていました。なにも穴だらけにしなくても‥。
旧青山別邸にも、牡丹の間があります。
4枚のふすまに、つぼみ、七分咲き、満開、散るが書かれたものだそうです。
理由その3:屏風の草書
鶴見中尉が登場したときに書かれているのですが、草書が書かれた屏風があります。
これが旧青山別邸の山岡鉄舟の草書なんじゃないかと。
家宝ですな。(;´∀`)
ニシン御殿の内装モデルは「旧青山別邸」で間違い無さそうです。
「旧青山別邸」の半端ない贅沢さ
ハッキリ言って紹介しきれないので、目立つポイントだけ。
・山岡鉄舟著の屏風
・夏目漱石『吾輩は猫である』の挿絵を書いた洋画家の中村不折の間
・日本画家の島崎柳塢が傑作を詰め込んだ大広間
・現代書道の父と呼ばれる比田井天来が仕上げたふすまのある比田井天来の間
・百畳敷の大座敷
・シャンデリアが吊るしてある洋間
・書道家の黒木欽堂が仕上げたふすまのある黒木欽堂の間
・御影石と大理石を練り合わせ砥石で研ぎ出した洗面所
・日本海が一望できる廊下
・日本画の松本楓湖、今中素友、長野草風、野沢蓼州、渡風などの絵師が腕前を競った扇の間
・便器が有田焼
総工費は31万円だそうです。
安っ?
って思っちゃ駄目ですよ。新宿の有名デパートが50万円の時代に31万円ですよっ!( ゚д゚ )
小樽に行った時に、なぜ旧青山邸に寄らなかったんだろう。あのときは興味なかったんですよ。漫画の力って恐ろしいですね。
「旧田中福松邸」が所在地、外装、当主のモデルと思ったワケ
理由その1:所在地が積丹(しゃこたん)
作中で長倉ジイさんが、
「積丹の海岸でまた死体が見つかった」
という発言があり、そこから辺見和夫の話になります。
で、杉元達は海に向かっていくことになるんですが、この話の流れから行き先は積丹付近の可能性が高い。
旧田中福松邸は、いまは小樽にありますが、元々は積丹半島の泊村にあったもの。それを改築でもってきたそうです。
なのでニシン御殿の所在地のモデルとしてはピッタリ。
理由その2:外装がよく似ている
外装の写真はこちらのサイトが美しいです。
見てもらえば分かるのですが、外見がとてもよく似ています。
理由その3:当主の経歴
田中福松氏はヤン衆として働いた後、まもなく独立。
定置網を利用した大規模な漁で業績を伸ばし、積丹地方の代表的な漁業主となります。
作中で登場したニシン御殿の当主も、モッコ背負いからここまで成り上がったといっていますね。そのうえ成金趣味とまで言い切ってますが、作者さんもニシン御殿を見て、そう思ったんでしょうかね。
ところでニシンの漁獲高は激減
ところでニシンの漁獲量は減り続けています。
作中でも触れていますが、無分別な乱獲の結果、
最盛期100万トン → 今3,300トン
と激減しています。
なんで禁漁にしないんでしょうね?
1〜2年禁漁にすればいいのに。。
まとめ
ニシン御殿について振り返ってみました。
「旧青山別館」はここで紹介した以外にも見どころ盛りだくさんです。
有田焼の便器に意識を全部持っていかれそうですが、小樽を訪れたときはぜひ寄ってみたい建物ですね。
参考文献
・にしん御殿 小樽貴賓館
・国立研究開発法人水産総合研究センター「平成24年度ニシン北海道の資源評価」
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